毎日のサロンワークで大切にしていることがあります。それは「丁寧な仕事をする」ということ。この言葉に出会ったのは11年前の東日本大震災の時のことでした。以前にお店があった場所は地震で建物が取り壊され、僕たちはしばらくの間、休業することしかできませんでした。今のお店は電気や水道が止まったままの町を自転車を飛ばして見つけました。貸店舗ではなかったところを交渉して借りられるようにはなったのですが、そこを新しく美容室としてOPENさせることは簡単なことではありませんでした。とにかくたくさんの時間と労力が必要だったのです。
その間、お馴染みさんだったお客さん達も困っていたようです。いつも行っていた美容室が突然無くなったのですから、それはそうだったと思います。僕だって馴染みのお店が無くなったら困ってしまうし寂しくなってしまいます。
震災からおよそ3ヶ月がかかりましたが、そんなお客さん達が戻って来てくれる場所を新しく作ることができました。あの時は嬉しかったです。たくさんのお祝いのメッセージやお花もいただきました。ありがとうございました。そして久しぶりにカットしに来てくれたお客さんとの会話の中で「やっぱり丁寧だね」という言葉をかけてもらったのを覚えています。この店の持ち味はそこなんだなって気がついた瞬間でした。
今では高校を卒業して地元を離れた子ども達や、転勤で引っ越ししてしまった方達が、連休などでお店に来てくれた際に「丁寧だね」と声をかけてくれる時があります。そんな時はやっぱりここが大切だなと、しみじみしてしまいます。
新しく作り始めたホームページの方もそんな風に作れたらと思っています。ここを見て髪を切りたくなったら嬉しいです。そんな時はお店でお待ちしております。よろしくお願いいたします。